Web制作会社が自社サイトをリニューアルした話(第3回)──目指したのは、作って終わらない「生きるサイト」
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前回は、サイトより先にロゴから始めた話をお伝えしました。ロゴを組み直し、色とフォントまでルールにして、ようやく軸が立った。第3回は、その土台の上で実際にサイトをどう組み立てていったか、という話です。サービスの見せ方、人の温度感の残し方、そして今回いちばん大事にした「生きるサイト」という考え方について書きます。
軸に沿って決める、というやりやすさ
前回つくったのは、ロゴと、会社全体のメインカラー、サービスごとのイメージカラー、和文・欧文それぞれのフォントの基準でした。これらがある状態でサイトの制作に入ると、進み方がまるで違いました。
いちばん変わったのは、迷う回数です。見出しの色をどうするか、この余白は何ピクセルか、ボタンはどの書体か。ひとつひとつは小さな判断ですが、決め事がないと毎回ゼロから考えることになります。しかも、その日の気分や担当者によって答えがぶれる。前回「その場の感覚で毎回決める」から「軸に沿って決める」へ、と書きましたが、それが実際に効いてくるのは、まさにこういう細かい場面でした。
遠回りに見えたロゴ先行の判断が近道だった、と前回書きました。サイトを組み始めてから、その実感はさらに強くなっています。
サービスを、主役の位置に置く
今回のサイトで、構造の面でいちばん大きく変えたのはサービスを主役に据えたことです。
第1回でも触れましたが、シエロデザインの仕事はこの数年でずいぶん広がりました。サイトをつくるだけでなく、公開後の保守運用に伴走し、広告で集客を支え、お客様社内のWeb戦略チームづくりや育成までお手伝いする。「お客様に寄り添って、要望を解決する」ことを続けてきた結果、対応できる範囲が自然と増えていった、という順番です。
ところが、これが旧サイトではまったく伝わっていませんでした。会社の紹介が先にあって、サービスはその後ろにある。そうすると、初めて訪れた方は「Web制作の会社なんだな」で読み終えてしまいます。本当は保守も広告も戦略支援もできるのに、そこにたどり着く前に離れてしまう。力になれるはずのお客様と、すれ違っていたわけです。
だから今回は、順番をひっくり返しました。まず「私たちに何ができるのか」を見せて、そのあとに「私たちがどんな会社か」が続く。多角化したサービスを並べると情報量は増えますが、それでも入り口を分かりやすくすることを優先しました。
整理するほど、硬くなっていく
ただ、サービスを整理していくと、思わぬ副作用がありました。どんどん硬くなっていくのです。
できることを正確に、漏れなく、分かりやすく並べようとすると、文章は説明的になり、レイアウトは整然としてきます。情報としては正しい。けれど、通して眺めたときに、なんだか無機質でした。
私たちは「お客様に寄り添って、要望を解決する」ことをモットーにしている会社です。それなのにサイトから人の気配が消えてしまっては、言っていることと見せているものがちぐはぐになる。ここは譲れないと感じました。
そこで意識したのが、余白の取り方と、写真の使い方です。情報を詰め込みすぎず、読む人が息をつける間をつくる。写真も、いかにも作り込んだ素材ではなく、実際の空気感が伝わるものを選ぶ。カチッとした構造の中に、ところどころ人の温度が差し込まれている。そのくらいのバランスを探りながら組んでいきました。
目指したのは「生きるサイト」
そして今回、いちばん大事にした考え方が「生きるサイト」です。
サイトは、公開した瞬間がゴールではありません。むしろ、そこからが始まりです。サービスは増えるし、事例も溜まる。伝えたいことも変わっていく。それなのに公開時のまま止まってしまうと、サイトは少しずつ実態からずれていきます。私たちが旧サイトで陥っていたのが、まさにこれでした。
第1回で、私たちは「作って終わりではなく、運用まで一緒に走る会社です」と書きました。だとすれば、自社サイトこそ、それを体現できていないと言葉に説得力が出ません。だから今回は、完成度を上げきることよりも、あとから手を入れやすいことを優先して設計しました。更新の手間がかかる作りにしてしまうと、結局また「時間ができたらやろう」に戻ってしまうからです。
つくって終わりにしない。使いながら直していく。育てていく。それが私たちの言う「生きるサイト」です。
まとめ ──ここからどう変わっていくか、お楽しみに
今回お伝えしたのは、ロゴでつくった軸に沿ってサイトを組み立て、サービスを主役に据えつつ、人の温度感を残し、「生きるサイト」を目指した、という話でした。
そして「生きるサイト」を掲げている以上、いま公開されているこのサイトも、完成形ではありません。半年後、一年後に見たとき、きっと今とは違う姿になっているはずです。むしろ、変わっていなかったら私たちの負けだと思っています。これからシエロデザインのサイトがどう変わっていくのか、ぜひ楽しみにしていてください。
もし「自社サイト、公開したきり止まっているな」と感じている方がいれば、それはとても自然なことです。同じ制作会社の私たちがそうでした。何か一緒に考えられそうなことがあれば、気軽にお声がけください。
💡 関連記事:シリーズ第1回 「Web制作会社が、自社サイトをリニューアルした話 ──まずは『なぜ』から」、第2回 「サイトより先に、ロゴから始めた」 もあわせてどうぞ。
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