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サイト保守運用とは?月額料金・作業内容・選び方を制作会社が現場目線で解説【2026年版】


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「Webサイトは作ったら終わりではなく、公開してからが本当のスタートです」──保守運用の話をするとき、私たちシエロデザインが必ず最初にお伝えする一言です。

ただ、いざ発注する側に立つと「保守って毎月なにをやってくれてるの?」「相場は?」「うちは今の契約で妥当なの?」と、外からはとても見えにくい領域でもあります。

この記事では、制作会社として複数のクライアントの月次保守を実際に預かっている立場から、保守運用の中身・料金相場・良い保守会社の見分け方・実際に起きたトラブル事例を、できる限り現場のリアルで解説します。判断材料として使ってください。

サイト保守運用とは──「作って終わり」と「作った後」の間にある仕事

サイト保守運用とは、ひとことで言うと 「公開したWebサイトを、安全に・正常に・意図通り動く状態のまま維持し続けるための継続的な業務」 です。

具体的には以下のような領域が含まれます。

  • 技術的な維持管理:WordPress本体・プラグイン・PHPバージョン・SSL・サーバー環境の管理
  • セキュリティ対策:脆弱性情報の追跡、緊急対応、バックアップ
  • 正常動作の担保:フォーム動作確認、表示崩れチェック、リンク切れ検出
  • コンテンツ更新代行:文言修正、画像差し替え、新規ページ追加
  • 相談対応:「これってどうしたら?」というWebまわりの相談窓口

とくに PHPバージョンやCMSバージョンの管理 は、外から見ると「更新ボタンを押すだけ」に見えますが、実際にはテスト環境での事前検証、依存プラグインの互換性確認、失敗時のロールバック手順まで含めて設計する必要があります。専門家でないと簡単そうで難しい、典型的な領域のひとつです。

保守で実際にやっている12の作業(現場の実例)

私たちが月次保守で実際にやっている作業を、具体的にリスト化します。

  1. WordPress本体の更新確認(メジャー/マイナー含む)
  2. プラグイン更新と互換性テスト(本番反映前にテスト環境で検証)
  3. PHPバージョン管理(サーバー側EOL追跡と移行計画)
  4. SSL証明書の期限確認
  5. 脆弱性情報の追跡(CVE / プラグイン脆弱性DBの監視)
  6. 定期バックアップの取得と復元テスト
  7. 月次サイトパトロール(表示崩れ・動作確認・お問い合わせフォーム送信テスト)
  8. アクセス解析の異常検知(急落・急増、404増加など)
  9. コンテンツ更新代行(文言修正、画像差し替え)
  10. 新規ページ・機能の追加(時間枠内の範囲で)
  11. サーバー・ドメイン契約の管理(更新漏れ防止)
  12. Web全般の相談対応(「これってどうしたら?」の窓口)

とくに 「月次サイトパトロール」は保守契約の核 だと考えています。定期的に表示・動作を目視確認するからこそ、「引き継いだ時点でお問い合わせフォームがずっと壊れていた」というような、放置されていた不具合を早期に発見できます(後述)。

契約パターンは大きく2つ:ルーティン型と発生型

実際のクライアントとの契約は、業種や運用スタイルによって次の2つに大きく分かれます。

1. ルーティン型(曜日・月次で固定の作業)

毎月・毎週・特定の曜日など、あらかじめ決まったサイクルで作業を行うパターンです。飲食店 などが典型で、メニュー更新やキャンペーンバナーの差し替えなど、繰り返しの依頼が発生します。

2. 発生型(依頼が発生したときに動く)

依頼があったタイミングで随時対応するパターン。結婚式場や商業施設 など、GW前・お盆前・年末年始などのシーズン前に依頼が集中する業種はこちらに近いです。

3. 相談役契約(安価な相談窓口)

作業はほぼ発生しないけれど「気軽にWebのことを聞ける相手がほしい」というニーズもあり、この場合は相談役として安価な契約 を結んでいるケースもあります。制作会社を「顧問」のように使う関係性です。

稼働時間の考え方

私たちの場合、月あたりの稼働時間は契約時にクライアントと擦り合わせて決めます。基本作業の繰り上げ計算はせず、その代わり契約内の作業は優先的に対応する という運用にしています。

費用相場:月額1万円〜30万円以上、何が違うのか

「保守の相場はいくら?」は最も聞かれる質問です。結論から言うと、月額1万円〜30万円以上まで幅があり、差はほぼ「時間」と「深さ」に集約されます

月額の目安 想定される内容 向いているクライアント
1万円前後 相談役契約。作業はほぼなし、いつでも相談できる窓口として。 自社で更新ができる/緊急時だけ頼りたい
3万円前後 簡易パトロール+軽微な更新代行。本体・プラグイン更新の確認。 更新頻度が少ないコーポレートサイト
5万円前後 月次パトロール+定期更新代行+脆弱性対応。標準的な保守。 ページ数中規模のコーポレート/小規模EC
10万円前後 複数サイト管理/積極的な運用支援/CMSまわりの継続改善。 複数ドメイン運営/メディア型サイト
30万円以上 定例MTG(週複数回)+Web戦略コンサル+作業ボリューム大。 Web施策を継続的にPDCA回したい企業

ポイントは、月額の差は「作業量の差」だけでなく「関わる深さ」の差 でもあるということです。1万円の契約でも「相談ができる相手がいる」という価値そのものにお金を払っていただいているケースもあります。

良い保守会社を見分ける5つのステップ

発注側として、良い保守会社をどう見分ければよいか。制作会社側の視点から、正直に「ここを聞かれたらちゃんと答えられる会社は信頼できる」という5ステップをまとめます。

  1. スコープの明確さを確認する:「何が契約に含まれて、何が別料金か」を書面で明示できる会社を選びましょう。曖昧なまま契約すると、あとで「これは含まれない」というトラブルの原因になります。
  2. 障害時の連絡フロー・対応スピードを確認する:「サイトが落ちた」「フォームが送れない」といった障害時に、誰に何時間以内に連絡がつくかを事前に確認してください。私たちは気付いた時点で必ず対応 を原則にしています。「明日やります」「週明けやります」という運用は障害対応ではありません。
  3. バージョン管理・バックアップ体制を確認する:WordPress本体・プラグインの更新をどう管理しているか、バックアップは自動か手動か、復元テストをしているか。実際に「復元できないバックアップ」を持っている案件は珍しくありません。
  4. 実案件事例と担当者の技術レベルを確認する:業界だけでなく、規模感・使っているCMS・トラブル対応の実績を聞いてください。「うちで過去にあったトラブル事例」を語れる担当者は信頼できます。
  5. 契約解除時の引き継ぎ条項を確認する:解約時に「ソースコード・DB・認証情報を全て返却する」旨が契約書にあるかを見てください。ここが曖昧だと、次の保守会社への引き継ぎで大きな問題になります。

ただし──最後に本音を書いておくと、これらのチェックポイントを全て満たしていたとしても、結局は「人対人」の相性がとても大事 です。段取りや業務フローと同じくらい、「相談しやすい窓口担当がいるかどうか」 のバランスは、保守を長く続ける上で本当に効いてきます。

引き継いだ瞬間に発見した「壊れていた」典型3パターン

他社から保守を引き継いだ案件で、私たちが実際に遭遇した「前任者の作り方に起因する典型トラブル」を3つ紹介します。同じ状況にある発注担当者の方は、ぜひ現状のサイトをチェックしてみてください。

パターン1:階層構造がぐちゃぐちゃになっているサイト

URL設計・カテゴリ設計・カスタム投稿タイプの使い分けが一貫しておらず、後から見ると「なぜここにこのページがあるのか」がわからない状態。SEO的にも運用効率的にも不利で、リニューアル時のマイグレーションコストが跳ね上がります。

パターン2:文字コード事故(Shift_JIS ソースを UTF-8 で開いて文字化け)

旧世代のHTMLソースが Shift_JIS のまま残っていて、UTF-8前提の環境で開くと文字化けするケース。編集不能になっているHTMLがサイト内に紛れていることもあります。

パターン3:お問い合わせフォームがずっと壊れていた

これは 本当に恐ろしい パターンです。引き継ぎ時にはフォームが動作していたつもりが、実は数ヶ月以上前から送信できていなかった、というケース。私たちが月一の「サイトパトロール」を必ず行うのは、こういった不具合を早期発見するため です。パトロールがないと、機会損失に気付くことすらできません。

実際に起きた保守トラブル3件(顧客名は伏せます)

保守で本当に大事なのは、平時ではなく「有事」の対応です。実際に私たちが遭遇し、原因究明から復旧まで手を動かした事例を3件、記録として共有します。

事例1:ACFカスタムフィールドが編集画面から消えた

あるページの編集画面で、それまで表示されていた ACF(Advanced Custom Fields)のカスタムフィールドが突然表示されなくなった 事象。クライアントからは「データが消えた」報告が入りました。

調査の結果、真因は テーマフォルダに同じ Template Name を持つ .php ファイルが2つ存在していた ことでした。WordPress内部の get_page_templates()array_flip() で処理するため、Template Name が重複していると片方だけしか残らず、ページテンプレート紐付けが破綻します。データ自体は残っていたので、原因ファイル退避&テンプレート再選択で復旧しました。

教訓:テーマファイルを退避する場合、拡張子を変える(.php.bak など)/テーマフォルダ外に置く/Template Name コメントを削除する、この3つのいずれかを必ず徹底する必要があります。同じ拡張子・同じTemplate Nameの「静かな重複」は時限爆弾です。

事例2:Cloudflare 公式 WordPress プラグインの権限バグ

非管理者ユーザー(Editor 権限で manage_options は持つケース)で Cloudflare プラグインの管理画面を開くと、画面が真っ白 になる事象。コンソールには CONFIG_FETCH_ERROR が出ていました。

プラグイン内部のソースを追ったところ、メニュー表示は manage_options チェック、AJAX処理は administrator ロール限定チェックという 権限判定の矛盾 が原因でした。プラグイン内の該当ファイル1行を administratormanage_options に書き換えることで復旧。GitHubにも既知Issueとして上がっていましたが、修正PRは未マージのままでした(プラグイン自体が公式に非推奨化されつつある状況)。

教訓OSSプラグインは「メンテナンスされているか」の確認も保守の一部。使っているプラグインが数年更新されていない、Issueが放置されている、といったサインは移行検討の合図です。

事例3:max_input_vars 上限によるフォームデータの静かな消失

ACF のリピーターフィールドを1ページに大量に組み込んでいた案件で、保存時に一部のフィールドデータが消える という事象が発生しました。

原因は PHP の max_input_vars 上限。これは 1回のPOSTリクエストで送信できる入力変数の最大数を制限する設定 で、初期値は 1000 です。ACFのリピーターは1行ごとに複数の入力を生成するため、行数が増えると簡単にこの上限を超え、超過分は警告なしで捨てられます

幸いバックアップを取得していたため復旧できましたが、「バックアップの重要性」を身をもって実感した事例 です。復旧後は php.ini の max_input_vars を引き上げ、あわせてフィールド構造の見直しも行いました。

AI時代の保守:Claudeにやらせて、人が最終判断する

2026年時点で、保守運用のワークフローはAI(とくに Claude や ChatGPT のような大規模言語モデル)の登場で明らかに変わりました。私たちが実際に AI に任せている作業は次のようなものです。

  • 月次サイトパトロールの自動化:表示確認・リンクチェック・フォーム送信テストの部分自動化
  • プラグイン/WordPress本体の脆弱性チェック:CVE情報を自動で収集・突合
  • ソースコードレビュー:更新差分に対する第三者チェック
  • メタ情報の最適化:タイトル・description・構造化データの提案

ただ、私たちのスタンスとしてハッキリしているのは、「人が主体で、AIに任せきりにはしない」 ということです。AI は人が気付かない箇所を拾ってくれる強力なパートナーですが、最終判断・クライアントとのコミュニケーション・責任は、人が担うべき領域だと考えています。適材適所です。

AIを活用した実装の詳細は、姉妹記事「AI OverviewにWordPress記事を載せるために、自社ブログを本気で改修した話」も合わせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. サイト保守って自分でできますか?

A. 技術知識のあるクライアント様も一定数いらっしゃいますが、実感として 中途半端な知識が逆にトラブルを招くケースが多い です。プラグインを試しに入れて壊れる、更新して表示が崩れる、といった事故は珍しくありません。相談窓口として保守契約だけ結んでおく、というやり方も選択肢です。

Q. 相場はいくらですか?月額1万円〜10万円以上まで幅があるのはなぜ?

A. 差の正体は「作業ボリューム」と「関わる深さ」の掛け算です。相談のみで月1万円というケースもあれば、週3回の定例MTGを含めコンサル領域まで踏み込む月30万円以上のケースもあります。作業量だけでは決まりません。

Q. 契約期間の縛りはありますか?

A. 私たちは 契約時にクライアント様と擦り合わせて決めています。制作会社側の都合だけで一方的に縛ることはしません。3ヶ月・半年・1年など、事業計画に合わせて設計しています。

Q. 障害発生時、何時間以内に対応してもらえますか?

A. 気付いた時点で必ず対応します。時間帯や曜日を理由に「明日やります」「週明けやります」ということは絶対にしません。障害対応は「気付き」と「即応」がすべてです。

Q. WordPress本体やプラグインの更新はどこまで含まれますか?

A. 標準的な保守契約であれば、更新の実施・事前互換性テスト・失敗時のロールバック まで含みます。ただし、更新に伴う大規模改修(プラグイン非互換によるテーマ改修など)は別途見積もりになる場合があります。

Q. デザイン変更・機能追加もお願いできますか?

A. 契約の時間枠内であれば保守対応の範囲内 で対応します。時間を明らかに超える改修や、パートナー会社の技術が必要な作業(大規模なシステム連携など)は別途お見積もりとなります。

Q. サーバーの乗り換えは対応してもらえますか?

A. 要件によります。私たちはサーバー会社ではないので、サーバー会社に依頼するような大規模な移設は別途お見積もりです。小〜中規模の移設は対応可能なケースもありますが、専門外の作業に関しては別途費用をお願いすることがあります。

Q. 解約したい場合はどうすればいいですか?

A. 基本は 3ヶ月前の申告制 としています。次の保守会社への引き継ぎ期間として、この程度は確保していただきたいというお願いです。

Q. 前の業者から乗り換える時に必要なものは何ですか?

A. 最低限、サーバー/ドメイン/FTP/CMS(WordPress等)のログイン情報一式 が必要です。加えて、過去のバックアップ、契約書、ライセンス情報(有料プラグイン等)、ドキュメント類があると引き継ぎがスムーズです。詳細は都度ヒアリングします。

Q. AI(Claude等)の登場で、保守運用は変わりましたか?

A. 変わりました。月次パトロールは部分的に自動化され、ソースコードのテクニカルチェックも人が見落とす箇所をAIが拾ってくれるようになりました。ただし 「人が主体、AI任せきりはしない」 という運用は徹底しています。適材適所です。

まとめ:保守は「作った後の関係」を続ける仕事

サイト保守運用は、外から見ると「毎月同じことをやっているだけ」に見えるかもしれません。ですが実際には、技術的な維持・セキュリティ・正常動作の担保・相談窓口 という複数のレイヤーを、静かに・切らさずに続けていく仕事です。

そして最後にもう一度書いておきますが、保守は結局のところ 「人対人の関係を続ける仕事」 でもあります。数字と契約書と作業リストの向こう側に、「安心してWebのことを相談できる相手がいる」という体験を届けるのが、私たちの考える保守運用の本質です。

この記事が、これから保守を依頼する方、いま契約中の内容に疑問がある方、あるいは保守会社を乗り換えようとしている方の、判断材料のひとつになれば嬉しいです。

ご相談は お問い合わせフォーム から、お気軽にどうぞ。

この記事を書いた人

佐藤 広樹

WEBディレクター

佐藤 広樹 Sato

仕事を通じて出会った方から「人から学ぶ」ことを大切に、AIやWEBから得られない知見を吸収するよう意識しています。

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