ツール・技術

Claude CodeでWordPress修正が半分の時間で終わるようになった話。ただし「丸投げ」はしません

WordPressサイトの修正依頼を、最近はClaude Codeと一緒にさばいています。体感で作業時間は半分以下。ただ、AIに丸投げすればうまくいくかというと、まったくそんなことはありません。この記事では、実際にどう使い分けているか、握るべき部分はどこか、を現場目線でお話しします。

「修正依頼、山ほど来ますよね」問題

Web制作の現場にいると、「トップのバナーだけ差し替えたい」「お知らせに1件追加してほしい」「フォームの項目を1つ増やしたい」といった、大小さまざまな修正依頼が日々発生します。

一つひとつは決して重い作業ではありません。ただ、案件数が積み上がってくると、細かい修正の対応時間が着実にリソースを圧迫していきます。しかもこの手の修正は「軽い割にミスできない」性質のもので、公開中のサイトを触る以上、慎重さも求められます。

正直に言えば、以前の私たちも「またここか」と身構えることが多い領域でした。ページ構造を頭に入れ直し、テーマファイルを開き、該当箇所を探し、変更し、テストして、本番反映する。1件あたり30分〜1時間。件数が増えれば、当然半日仕事です。

ここに手を入れないと、本来やりたい「戦略や設計に時間を使う」がいつまでも実現しない。そう感じていたところに、Claude Code(Anthropic社が提供するAIエージェント型のコーディング支援ツール)が登場した、というのが今回の話の入り口です。

AIは「速くするため」ではなく「判断の質を上げるため」に使う

シエロデザインでは、AIツールを導入する目的を「安く・速く」ではなく「意思決定の質を上げるため」と位置づけています。

なぜかというと、「速さ」だけを目的にAIを使うと、必ずどこかで品質のしっぺ返しが来るからです。とくにお客様のサイトを預かる仕事では、たった1つの誤リンクや表示崩れが信頼を大きく損ないます。速いけれど雑、では絶対に困る。

一方で、AIをうまく使うと、これまで人間の頭のリソースを削っていた「単純な探索・パターン適用・書き換え作業」を任せられるようになります。その分、人間は「この修正はお客様の本当の意図を汲めているか」「サイト全体の設計と齟齬はないか」「表に見えない副作用はないか」といった、判断が問われる部分に集中できる。

つまりAIは、時間を空けるための道具というより、人間が本来考えるべきところに脳のリソースを戻してくれる道具だと捉えています。この前提を握れているかどうかで、AI活用の結果は大きく変わります。

実例:Claude CodeでWordPress修正を回す時、握っている部分

具体的にどう使っているかを、恥ずかしながら包み隠さずお話しします。

たとえば、ある保守案件で「トップページの3カラムセクションを2カラムに変えて、右カラムの内容を下に回してほしい」という依頼をいただいたことがありました。以前なら、テンプレートを開いてHTMLを書き換え、CSSを調整し、ローカルで表示確認し…と、恐らく1時間コースの作業です。

これをClaude Codeに任せる時、私たちがやっていることはこうです。

  • 握る:修正対象ファイルの特定、変更方針(構造を変えるのか、CSSだけで済ませるのか)、影響範囲の判断
  • 任せる:実際のマークアップ書き換え、既存のクラス命名規則に沿ったCSS追記、パターンマッチング的な単純作業
  • 必ず人がやる:本番反映前のテスト環境での目視確認、レスポンシブの確認、他ページへの副作用チェック

このやり方に落ち着いてから、同種の修正が体感で半分以下の時間で終わるようになりました。ただし、最初から「はい、この依頼やっといて」と丸投げしていたら、たぶん逆に時間がかかっていたと思います。Claude Codeは非常に優秀ですが、そのサイト固有の設計思想やお客様との合意事項までは知りません。ここは人間側が握り続けないといけません。

まとめ:AIとの分業は「握るところ」を決めるところから

修正依頼対応にAIを入れて確かに効率は上がりましたが、それは「速く済ませられる」だけの話ではありません。単純作業から解放された分、「そもそもこの修正はお客様の課題を本当に解決するのか」を考える時間が増えました。結果として、修正依頼の裏にある本当のご要望に気づけるケースも出てきました。

シエロデザインでは、こうした「AIとどう分業するか」という運用ノウハウ自体を、お客様のWeb戦略チーム構築・育成の中でも共有しています。ツールを入れることが目的ではなく、ツールを介して判断の質を上げることが目的だからです。

もし今、社内でAI導入を検討していて「何から始めればいいか分からない」「導入したけど期待した効果が出ない」といった状態でしたら、ぜひ一度ご相談ください。私たちが自社で回している運用も含めて、実務ベースでお話しできればと思います。

この記事を書いた人

日下 正樹

フロントエンドエンジニア

日下 正樹 Kusaka

見た目だけでなく、使いやすさと保守性を意識した実装を心がけています。

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